ミラノ・メンズファッションウィークは近年、グッチやフェンディといった大手ブランドが参加を見送り、ショーが減少傾向にある。約30年間、現地取材を続ける繊研新聞編集委員の小笠原拓郎さんに、メールインタビューで背景と今後の展望を尋ねた。
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勢いに乗ったコレクションも
――いつからミラノ・メンズの取材を。
1996年からです。まだトム・フォードがグッチの最初のショーをやった直後で、みんな興奮していました。まだ、グッチがこんなに鮮やかな復活劇を見せるとは思われていなかった時期ですね。
――今シーズンのミラノ・メンズは、特に参加ブランドやショーが少なかった印象です。取材されていかがでしたか。
少ないのは事実ですが、興味深いショーもありました。とりわけ、ミラノで初めてのショーをしたセッチュウは、まさに勢いに乗っていました。パリ・ファッションウィークまで通して見た中でもトップスリーに入るかどうかのコレクションだったと思います。
ドルチェ&ガッバーナもセッチュウと同様に、今シーズンの大きなトレンドでもある「エレガンスの中に親密さを取り入れた」コレクションでした。
――ミラノではショーをするブランドが減る代わりに、展示会が増えています。ショーの費用対効果が低いからでしょうか。
パリのファッションウィーク…